みなさん、こんにちは。(株)NARUSEのミノです。
前回は、団体信用生命保険の種類と保障内容についてお話しました。
今回は、団信って入らないといけないの?
加入するメリットとデメリットについて解説します!
団信って入らないといけないの?
住宅を購入した時点でかなりのローンを組んでいるのに、さらに団体信用生命保険だと…?
そもそも論、入らないといけないの?
入らないとどうなるの?
と思いますよね、わかります。
結論から申し上げますと、民間銀行でローンを組まれた場合は、入らないといけません。
加入義務があります。
唯一、団信に入らずに住宅ローンを借りることができるのが、フラット35です。
そのため、「団信の審査に落ちてしまったが、住宅ローンを借りたい人」が、フラット35を使うという場合もあります。
では、以下で団信加入のメリット・デメリットについてお話します。
(デメリットも何も、ほぼ強制加入じゃ聞く意味ない!と思われるかもしれませんが、
いざ何か起こったときに、
「そんなの先に言っておいてよ!」
とならないよう、情報をシェアさせていただきます。)
団信に加入するメリット
①万が一の時、家族が残債を払わなくてよい
団信に加入することの最大のメリットは、
ローン契約主に万が一のことがあったとしても、残された家族がその残債を払わなくてよいところです。
保険会社が、金融機関に保険金を支払うため、住宅ローンの残債は0円になります。
②所得税としての納税義務がない
メリット①でお話した通り、契約主に万が一のことがあった際、団信が残債を金融機関に全額支払います。
この時家族は、「残債を免れた=経済的利益が生じた=債務免除益」と判断され、課税対象になるように見えます。
しかし、団信は「残債を金融機関に全額支払う=家族に承継されていない」ため、課税関係は生じません。
よって、所得税としての納税義務はありません。
なぜこのようなメリットを敢えて挙げたかと言いますと、生命保険においては、課税対象になるからです。
ゆっくり説明しますね。
例えば、上記と同様、契約主に万が一のこと(死亡)があったとします。
この時家族には、死亡保険金として、手元にお金が入ります。
受取人が誰であるかにより、課税金額に差異が生じますが、
所得税、相続税、贈与税のいずれかの課税対象になり、受取人は税金を納めなければいけません。
生命保険の場合は、満期になった時でも同様、課税対象になります。
この話を聞くと、団信と生命保険を比べたら、団信の方がリスクを減らせますし、加入のメリットも感じられますね。
団信に加入することのデメリット
①所得税ではないので、所得控除が受けられない
団信は生命保険料控除の対象外になります。
このため、団信に加入しているからといって、年末調整でお金が戻ってくることはありません。
②保障内容が薄い
団信には、三大疾病・八大疾病の特約を付けられるものがあります。
一方、特約を付けたところで、入院費用が保障されるのではなく、ローンの残債が0円になるだけなのが団信です。
あくまでも、万が一があったときに保障してくれる対象が、家→団信、人→生命保険、
になるので、どのような基準で特約が適用されるのか、事前に確認しておきましょう。
人に対しては保障されないことを認識しておきましょう。
団信と生命保険、どっちが安い?
団信について色々調べていると、「団信より生命保険の方が総支払額が安くなりがち。団信は高い。」
のような情報が出てきましたので、試しにシュミレーションしてみました。(シュミレーションしてみたい方はこちら)
今回の条件は、
- 三大疾病保障:あり
- 夫婦連生団信:なし
- フラット35利用
- 返済方法:元利均等
- 返済期間:35年
- 借入金額:3500万円
- 段階金利:なし
- 借入金利:1.330%
になります。
返済期間・借入金額については、愛知県のデータを使用しました。
(愛知県民が、住宅ローンをいくら借りているかが気になる方はこちらをご覧ください。)
借入金利は、フラット35のHPより、融資率9割以下の数字を使用しました。
条件を入力して…
OKボタンを押すと、以下のように表示されました。
一番注目いただきたいのは、一番上の「特約料総支払額のめやすは 3,155,500円です。」
の部分です。ざっと約315万円を団信に支払うことになります。
一方で生命保険は、こちらのサイトを参考にする限りでは、30代の年平均支払額は18.8万円になります。
30歳から65歳までの35年間、18.8万円を払い続けたとして計算すると、658万円になります。
よって、三大疾病保障の特約を付けたくらいでは、生命保険料を上回ることはない、という結果になります。
ただし、全疾病保障特約を付けたり、金利が低いからといって住宅ローンをたくさん借りると、生命保険料より高くなることは十分あり得ます。
団信と生命保険のそれぞれの役割を、しっかり理解して加入してくださいね。
編集より、ひとこと。
団信と生命保険はよく比較されることが多いですが、
保証の対象が、
- 家のローン→団信
- 人→生命保険
になります。
よって、団信と生命保険の重複を避けるために、見直しをされることが多いと思いますが、
保証内容や保証対象をよく見て判断されることをおすすめします。
また、課税・非課税についても、目を光らせておく必要があります。
当ホームページでは扱いませんが、生命保険の中にも、課税・非課税があるので、
団信の加入を機会に、見直されることをおすすめします。
編集:ミノ