以前、「ステップ⑦住宅ローンの段取りと申し込み」にて、

“住宅ローンを組んだ翌年は、会社員の方、個人事業主の方関係なく、住宅ローン控除のための確定申告が必要”

というお話をしました。

今回は、その住宅ローン控除について、流れや申請の仕方についてお話します。

そもそも住宅ローン控除とは?

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

住宅ローン控除とは、住宅購入者やリフォームした方を対象に、所得税の減税が受けられる制度のことです。

住宅ローンを利用して住宅を購入したり、リフォームする際に一定の条件を満たすことで、最長10年間の所得控除が受けられます。

具体的な控除額は、毎年(1~10年)の年末時点のローン残高×1%になります。

ただし、控除には限度額があり、年間40万円が上限です。

認定長期優良住宅や、低炭素建築物の場合は、年間50万円が上限となっています。

知っトク①:認定長期優良住宅って?

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

認定長期優良住宅とは、長期にわたり、良好な状態で使用するための措置が講じられている住宅を指します。

【長期優良住宅の認定基準】

  • 長期に使用するための構造及び設備を有していること
  • 居住環境等への配慮を行っていること
  • 一定面積以上の住戸面積を有していること
  • 維持保全の期間、方法を定めていること

長期優良住宅を建てる最大のメリットは、住宅ローン控除で年間50万円を上限とした控除が受けられる点です。

また、フラット35Sの金利を低くできるので、お得に住宅ローンを借りることができます。

詳しい税制優遇内容については別の記事で書きます。

知っトク②:認定低炭素住宅

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

認定低炭素住宅とは、二酸化炭素の抑制に寄与する建築物のことを言います。

所管行政庁(都道府県、市又は区)から認定を受けた建物のみに与えられます。

【認定低炭素住宅の認定対象】市街化区域等内における以下であること。

  • 建築物の低炭素化に資する建築物の新築
  • 低炭素化のための建築物の増築、改築、修繕若しくは模様替え
  • 低炭素化のための建築物への空気調和設備、その他の政令で定める建築設備の設置
  • 建築物に設けた空気調和設備等の改修

低炭素住宅の最大のメリットは、電気・ガス・水道料金が安くなる点です。

なぜ光熱費が安くなるかというと、低炭素建築物として認定する住宅は、断熱性に優れ夏涼しく冬暖かいような、エネルギーを効率的に使う住まいだからです。

また、住宅ローン控除で年間50万円を上限とした控除が受けられます。

詳しい税制優遇内容については別の記事で書きます。

住宅ローン控除を受ける方法

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

住宅ローン控除を受けるには、入居した翌年に確定申告をする必要があります。

確定申告の時期は、

  • 給与所得者:購入・入居した年の翌年1月4日~3月15日までに実施する
  • 自営業者:一般申告と合わせて、2月16日~3月15日までに実施する

のが通常です。

(コロナで確定申告の時期が前後している可能性があるので、詳細は税務署のWebサイトをご確認ください。)

住宅ローン控除を受けるために必要な書類と確定申告の流れ

step①:住宅ローン控除を受けるための条件を確認しよう(新築住宅購入者の場合)

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

住宅ローン控除は、新築住宅購入だけでなく、リフォーム、増改築にも適用される制度です。

今回は、新築住宅を購入した場合に絞ってお話します。

【住宅ローン控除を受けるための条件(新築住宅購入者の場合)】

  • 自らが居住する住宅であること
  • 控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下
  • 床面積が50㎡以上
  • 住宅ローン借入期間が10年以上
  • 長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていない

step②:確定申告に必要な書類をそろえよう

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

住宅ローン控除を受けるための、確定申告に必要な書類は、以下の通りです。

  1. 確定申告書(A様式)
  2. (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  3. 源泉徴収票(会社員の場合)
  4. 本人確認書類(マイナンバーカードのコピーなど)
  5. 住宅ローンの年末残高証明書
  6. 建物・土地の不動産売買契約書・工事請負契約書のコピー
  7. 建物・土地の登記事項証明書
  8. その他(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、それを証明する書類のコピー)

なお、ペアローンを組んで、夫婦共有名義で購入した場合は、夫婦別々に確定申告書を作成する必要があるので準備してください。

step③:確定申告書に記入し、提出しよう。

(特定増改築等)
住宅借入金等特別控除額の計算明細書の見本

まずは、必要な書類の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成しましょう。

上記を作成する際には、必要な書類3~8の情報が必要になりますので、揃えておきましょう。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」が完成したら、「確定申告書(A様式)」に記入しましょう。

確定申告書自体は、自宅でパソコンでも作成できます。

「確定申告書(A様式)」が完成したら、必要書類を添付して、税務署に提出(郵送も可)しましょう。

お住まいの地域によって、管轄の税務署が異なるので注意してください。

2年目以降もこんなに大変なの?

はじめての確定申告住宅ローン控除を受けよう

給与所得者(会社員など)の場合、2年目以降はラクになりますのでご安心ください。

勤務先に以下の書類を提出して、年末調整で手続きできます。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書等
  • 住宅ローンの「年末残高証明書」

一方自営業者は、

  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅ローンの年末残高証明書

が必要になります。

自営業者の方は、毎年控除額を計算しないといけないといけないので、早めから手を付けておくことをおすすめします。

編集:ミノ